基本的に壁打ち

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彼の話

Fate/Grand Order Cosmos in the Lostbelt No.5 神代巨神海洋アトランティスの話をします。絶海突破前の方はご注意ください。

 

 

昨日、アトランティスをクリアした。すごくおもしろくて、たくさん笑って、たくさん泣いた。終えるのがもったいないから読み終わりたくないのに早く先を読みたくて、すごくわくわくして、みんな本当にかっこよかった。加えて私は離別のオタクを自覚していつの間にか7年目になっており、永遠と一瞬、様々な愛、出会いと別れ、祈りとエール、そういうものが本当に大好きなのでそういう点でもめちゃくちゃに刺さり、本当に本当におもしろかった。この先どうなるのかなあとか、早く読みたいなあ!とか、イメソンとか(Aqua Timezの「GRAVITY 0」がめちゃめちゃにアトランティスなのでよろしくお願いします)を考えたりしている、というか、していたんですよ。今朝はまだ。

 

一晩明けて、ようやく少し落ち着いて、いつの間にか私は、彼のことばかりを考えている。

マンドリカルドくんは登場シーンからすでにかわいくて、ちょっとお茶目で、親しみやすさがあって、私はすぐにマンドリカルドくんのことが大好きになった。

マンドリカルドくんはマスターのことを友達だって言ってくれた。ただ一緒にいてくれたり、話を聞いてくれたり、励ましてくれたり、強く背中を押してくれた。マンドリカルドくんと一緒に進むアトランティスの旅路は本当に楽しかった。

でも、彼は友達だけど、それ以前に彼は確かに英雄だった。英霊だけど友達だった、それと同じだけ、彼は友達だけど英雄だったのだ。

自分がこんなふうになるなんて思っていなかった。私はマンドリカルドくんのことが大好きで、そんなことは当然わかっていて、それなのに、彼がいってしまってからようやく、本当に彼のことがすきだったのだと、どうしようもないほどに自覚してしまった。

彼の笑顔を思い出してしまう。

友達と言ってくれて嬉しかった、一緒に旅ができて楽しかった、支えてくれて守ってくれて心強かった、でも、友達でも、その前に彼はやっぱり英雄だった。本当は、英雄じゃなくてもいいから、最高の騎士にならなくてもいいから、最後まで一緒にいてほしかった。一緒にオリュンポスでも旅をしたかったよ。またみんなでわいわいしながら、あぶねーって言いながら一緒に戦いたかった。

でも、でもね、そんなマンドリカルドくんだから好きになったんだよ。

 

これまでいろんな出会いと別れがあった。離別は物語の根底に流れるテーマのひとつだということもわかっていたし、そうやって英雄たちの無数のエールに背中を押されて、それでも私たち生者はまえへ向かって生きていくのだと、そういうことをメインシナリオを進めるたびにいつも思っている。

私たちは生きていく。でも、あなたはもうどこにもいない。マンドリカルドくんにこの先また出会うことはあるかもしれないけれど、私が好きになったあなたはもういなくなってしまった。

シャルロット・コルデーの、血を吐くような、身を切るような、溺れるような初恋の吐露に、私はたくさん泣いてしまった。私は自分がこんなふうになるなんて思っていなかった。だってこんなの、こんな、失恋以外の何物でもないじゃないか。

 

彼の笑顔を思い出してしまう。でも、彼の背中を思い出さなくていいことに、私は少しほっとしている。

今でもマシュの背中を忘れられないけれど、マシュはいまを生きる人間だ。英霊じゃない。マシュは私たちと一緒に生きていく。

マンドリカルドくんは本当にかっこよくて、かわいくて、親しみやすくて、きっと誰でもすぐに大好きになる。寄り添ってくれて、いてくれるだけで心強くて、私は彼が大好きだ。大好きだった。大好きだったのだ。こんなにも。

 

2020年になったら、マンドリカルドはフレポガチャの対象に入るのだそうだ。マンドリカルドくんにまた会いたいけれど、会いたいのがマンドリカルドくんなのかわからない。私はきっと、彼のことを思い出してしまう。あの笑顔を思い出してしまう。でも、それはマンドリカルドくんに対しても彼に対しても失礼だと思うから、私ができることはガチャを回さないことくらいしかない。でも、だからといってそれが何になるというのだろう。ままならない。どうしようもない。どうすることもできないなあ。

 

私はマンドリカルドくんのことが大好きだ。どうすることもできなくても、物語は続いていく。英雄たちの祈りに背中を押されながら、私たちはこれからも進んでいく。彼は確かに、英霊だけど友達だった。友達だったけれど、それより前に英雄だった。彼もまた彼女みたいに、覚えていてほしいと、忘れないでいてくれと思っていてくれたならどんなによかっただろう。

彼はただ、どこまでも私の友達で、ひとりの誇り高い英雄だった。

そんな彼だから、大好きになったのだ。これは彼の話。ただの友達の話。だから私は、せめて誠実であろうとしながら、彼のことをずっと覚えていようと思う。